繊維の繁栄を見つめてきたレトロビルが、新しい歴史を刻み始めます。 ビル全体を「Re-TAiL(リテイル)」として、繊維を主軸にファッションやデザインなど創造的なテナントやアトリエ、展示やイベントなどを集めます。産地の繊維組合が保有する築80余年のビルもひとつのマテリアルととらえ、この産地ならではの発信拠点として、内外から活用して頂けるよう願ってやみません。一般、学生、デザイナー、繊維、ファッション、デザインに関心のある方、みなさまのご参加、ご来訪をお待ちしています。
「RRR MATERIAL PROJECT」をキーテナントに据え、内外のブランドも採用する産地の上質なテキスタイルや、普通は流通しない見本反まで、新旧のさまざまな繊維素材を揃えます。Re-TAiL事務局としてビル全体を企画&管理するオフィスも兼ねて、一般の方からデザイナーさんまで、素材とみなさんとの窓口のような役割を目指します。
Re-TAiLでは、繊維やファッション、デザインなどの創造的な活動の場として、個人/企業のテナントや展示企画を募集しています。 つながりを大切にしながら、歴史あるこのビルであたらしい場づくりにご参加下さい。
(テナントは満室の場合もございます)
愛知県一宮市を中心とした尾張地域は、「尾州」と呼ばれ、昔から織物産地として発展してきました。現在も総合繊維産地として日本有数の規模と技術を誇り、毛織物をはじめ多様な素材を創造し、国内外のアパレルなどに採用されています。
尾州はビエラ地域(イタリア)、ハダースフィールド地域(イギリス)と並んで世界有数の高級毛織物産地です。
日本国内では最大の毛織物産地で、国内生産量の約8割を占めています。
尾州には「ノコギリ屋根」の工場が沢山あります。
これは、広い場所に均等に採光する場合に用いられ、色ムラや織り傷の発見など、品質チェックにも関わる重要なものです。
1950年頃は、「(織機を)ガチャンと織れば万の金が儲かる」ことから、「ガチャ万」といわれた景気がありました。
糸偏の付く漢字の業種が儲かったことから「糸へん景気」とも言われています。
尾州の製織工程では、親機(おやばた)と呼ばれる生産業者が、子機(こばた)と呼ばれる専門の協力工場に外注して反物に仕立てています。
全体では工程は大きく分けて5つあり、その基本的な順番は次のような分業体制で成り立っています。
※製品によって順番が変わる場合があります。
羊の毛や綿花の綿から糸を紡ぐ。
糸を撚(よ)って様々な種類の糸を作る。
糸を染める。
デザインを起し、経糸(たていと)と緯糸(よこいと)を組み合わせて布を織る。
布を染め、洗い、蒸す等して整え、風合いや機能性を付加する。
Re-TAiLは2014〜15年まで開催された「RRR MATERIAL PROJECT」を基盤に、国島(株)、キオンステューディオ、ミロス(株)、オパレックス(株)、木玉毛織(株)ほか、尾州産地の繊維企業各社のご協力により運営しています。